ミヤマアカネ(深山茜)
最も美しい赤トンボ・ミヤマアカネの写真集
- 日本で最も美しい赤トンボと言われるミヤマアカネ(深山茜)について、羽化して成熟するまでの過程における体の色の変化を中心に、写真で一覧できる形で紹介しています。
- ミヤマアカネは体長が35〜39mm程度の小さな蜻蛉で、不均翅亜目のトンボ科に属する赤トンボの仲間です。
- ヨーロッパからユーラシア大陸にかけて分布しており、日本はミヤマアカネの東限かつ南限に位置するそうです。
- また、翅に茶色〜褐色の帯を持つ赤トンボは、世界中でミヤマアカネのみだそうです。
- 日本国内では、北海道・本州・四国・九州に生息していますが、田んぼの減少に伴い生息数も激減しており、都道府県によっては絶滅が危惧されています。
- ミヤマアカネは下図のように翅に褐色の帯を持ち、飛ぶ時(特にホバリング時)に帯(バンド)が輪を描き美しい姿が見られます。
- この飛翔時の様子から、ここ高知県では「クルマトンボ」や「ヤグルマトンボ」の別名を持ちます。
- また、他のトンボに較べると、飛び離れる距離が短く人懐こいトンボです。ただ危険を感じると、目にも留まらぬ速さで空高く飛ぶこともあります。
- 赤トンボの仲間であるミヤマアカネのオス(♂)は、成熟すると体全体が真っ赤になります。
- そして一番美しい赤トンボと言われる秘密は、ミヤマアカネの特徴でもある翅の帯とピンクの縁紋(えんもん)にあります。この縁紋も成長につれ白色からピンクに変化します。
- ※このページの写真ファイル(画像ファイル)の無断使用を禁止します。(Yukisoft Corporation)
- ミヤマアカネのオス(♂)の変化
- ミヤマアカネのメス(♀)の変化
- ミヤマアカネの交尾と産卵
- ミヤマアカネの飛翔写真
- ミヤマアカネの面白い仕草
- ミヤマアカネの生息環境
- ミヤマアカネ(深山茜)のオスの体(特に頭、胴体、翅の縁紋)の色は羽化後、秋に向かって変化していきます。
- 頭の色はほぼ黄土色〜茶色〜赤色のような変化をします。また胴体についても当初の黄色ないし黄土色から段々と赤く色づき、秋頃には真っ赤な色になります。
- そしてミヤマアカネの美しさの象徴である翅の縁紋の色も、羽化直後は白色ですが秋深まる頃にはきれいなピンクに染まります。
- 以下の写真のミヤマアカネ(♂)は、同一個体を追跡撮影したものではありませんが、比較的狭い生息エリア内のミヤマアカネを継続して撮影しています。
- よって、中には同一個体の写真も含まれている可能性は十分あります。写真からも分かりますが、胴体腹部の色が赤くなっているのに、まだ翅の縁紋は白のままの個体が見られます。これは縁紋に先行して胴体の色が赤く変化するということを意味します。
- ミヤマアカネのオスが最も美しく見える時期は、9月下旬から10月末までの間と言えるのではないでしょうか。
- この辺りのミヤマアカネ(♂)は、体全体が赤くなり翅の縁紋も綺麗なピンクに染まります。
- 一説には日本の赤トンボの中で最も美しいと言われていますが、秋深まる頃のミヤマアカネ(♂)の姿を一見すれば納得していただけるのではないでしょうか。
- 各写真をクリックすると、拡大写真(画像)を表示します。
ミヤマアカネ(♂)
この個体はもう体の色も赤みがかっており、また縁紋もピンクに(7月31日)
ミヤマアカネ(♂)
未熟なオスは黄土色の体で縁紋もまだ白い。写真のトンボは頭部・複眼部分の色も薄茶色(8月4日)
ミヤマアカネ(♂)
このトンボは頭部・複眼部分の色は濃い茶色。 胴体は黄土色ので縁紋も白い(8月7日)
ミヤマアカネ(♂)
このオスは胴体がかなり赤みがかっており、しかも縁紋もピンクに(8月11日)
ミヤマアカネ(♂)
ミヤマアカネの逆立ちポーズ。暑さ対策という説が。胴体は赤みがかっているが縁紋は白(8月28日)
ミヤマアカネ(♂)
このオスは胴体がかなり赤みがかっているが、縁紋は白い状態(8月31日)
ミヤマアカネ(♂)
このトンボの胴体はまだ真っ赤ではないが、縁紋は綺麗なピンクに(9月16日)
ミヤマアカネ(♂)
このトンボの胴体は落ち着いた赤色になり、縁紋は綺麗なピンクに(9月18日)
ミヤマアカネ(♂)
ミヤマアカネの逆立ちポーズ。9月下旬とは言え日中は暑いので、やはり暑さ対策か(9月24日)
ミヤマアカネ(♂)
このトンボは全身が渋い赤色になっているし、縁紋も美しいピンク(9月26日)
ミヤマアカネ(♂)
全身が真っ赤なミヤマアカネ、最も美しいトンボと言われる所以はこの辺りか?(9月28日)
ミヤマアカネ(♂)
この頃になると見られる個体数も少ない成熟したミヤマアカネ。(10月27日)
- ミヤマアカネ(深山茜)のメスはオスに較べると、体の色の変化に乏しくやや地味な存在ではあるが、以下の写真のように胴体は羽化後の黄色じみた色から段々と渋い茶系統の色に変化しています。
- また翅の縁紋の色も、羽化後から秋にかけては白色ですが、最も成熟した11月頃になると写真のように薄いピンク(個体差はありそうです)になっています。
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ミヤマアカネ(♀)
未熟なミヤマアカネは胴体や縁紋の色は♀♂の差が見られない。(7月10日)
ミヤマアカネ(♀)
11月に入って見たメス、翅の縁紋が薄いピンクになっている。(11月1日)
ミヤマアカネ(♀)
この写真と右隣の写真は同じ個体で、この年に見た最後のミヤマアカネ。(11月29日)
ミヤマアカネ(♀)
オスの縁紋は早い時期に白からピンクに変化するが、メスもかなり成熟するとピンクに。(11月29日)
- ミヤマアカネ(深山茜)のオスとメスが交尾して産卵する様子は、この生息地では10月上旬から11月上旬に掛けて見られた。以下の写真のようにオスとメスが連結飛翔しながら、田んぼの用水路の中に産卵しています。
- この写真を撮影した日は天気も良く、何組ものミヤマアカネのカップルが連結飛翔しながら産卵活動をしていました。
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- ミヤマアカネ(深山茜)の飛んでいる姿、飛翔写真を少し集めてみました。
- ミヤマアカネは、こちらでは別名クルマトンボと呼ばれるように、ホバリング時の翅の動きが特に美しいので撮影にチャレンジしているのですが、未だ成功していません。以下の各写真は飛翔中の1シーンです。
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- ミヤマアカネ(深山茜)の顔を中心にした面白い仕草の写真を掲載しています。
- 現在のところ、各動作の意味するところは不明ですが、思わず笑いたくなるような仕草です。
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- strong>ミヤマアカネ(深山茜)の生息する場所としては、田んぼの近くや川の上流・中流などがあります。
- 1〜2頭のみの見られる場所や十数頭見られる場所もあり、産卵および生育に適した環境があるかどうかで決まるのかも知れません。
- 以下の写真は、比較的多くのミヤマアカネが見られた山間部の生息地です。
- 近くに田んぼの用水路があり、ほぼ年間を通じて泥の状態が保持されています。
- そこにはイモリや蛙、アメンボなどの生き物が多く生息しています。
- トンボでは、ミヤマアカネ以外にもシオカラトンボ、オオシオカラトンボ、マユタテアカネなども見られます。
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